STORY
2011年3月11日 午後3時40分
福島県沿岸に押し寄せた津波、
そして原発事故—。
見捨てられた命が、そこにはあった。
舞台は、福島第一原子力発電所の北22㎞ 。津波に見舞われた福島県南相馬市萱浜(かいはま)地区。消防団員の上野敬幸さんは両親と子ども2人を津波で流され、必死に捜索を続けていた。その最中、福島第一原発が爆発した。
「本当に助けて欲しいって
思った時には、
来なかったねえ、誰もー。」
捜索のため避難を拒んだ上野さん。その目に映ったのは、津波で一帯が根こそぎ流された故郷・萱浜に、唯一、遺った我が家だった。この「一軒の家」とともに、物語は紡がれていくー。「天国のみんなに安心して欲しい。」すべてが流された萱浜で再起を誓う上野さんは、一面に菜の花の種をまいた。一方、震災後に生まれた娘と妻の3人になった家族には、それぞれの想いが交錯する。そこにはいつも亡くなった4人の存在があった。
「生きているから出来ること。
生きているからこそ、
やらなきゃいけないことがある。」
やがて、第一原発が立地する大熊町で、同じく行方不明の我が子を捜す木村紀夫さんと出会う。“復興”の波に抗い続けた上野さん。避け続けてきた現実を前に、ついに苦渋の決断を下す。そして5年9ヶ月後、訪れた奇跡の瞬間とはー。
鑑賞後の感想(一部紹介)
山本美香記念国際ジャーナリスト賞 審査員のコメント
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